2013年05月29日

ミニカー屋の簿記奮闘記〜簿記3級〜 第6回

「こんにちは!」
「やあ、とっきー君。もうすぐ半分終わるけどちゃんと理解できてるかな?」
「頭には入ってるんですが、実際やってみないとなんとも・・・。」
「簿記は基本を頭に叩き込んだらあとはひたすら仕訳だよ。ルールを覚えたらあとは体で覚えるんだ!」

「今日は『手形』について勉強します。『手形』は知ってるかな?」
「えーと、よく不渡りで倒産とか聞くやつですよね?」
「そう。3級では不渡りはやらないんだけど、お金の代わりに紙切れを渡していつまでにいくら払いますというものだね。で、払えないと倒産。」
「手形は当座預金を持っている銀行と契約を結んで振り出します。手形にはいつ、どこで、誰に、いくら払いますと書いてあるんだ。その手形をもらった人が銀行に行くと、支払日にお金がもらえます。ただ、銀行との契約で手形を振り出しているので、2回約束を破るとペナルティとしてどの銀行とも取引してもらえない。するとお金を借りることもできないし、借りていたら一括ですぐに返さなくちゃいけない。そういう意味で倒産するんだね。」
「なんか難しそう・・・。」
「うん。手形は結構くせものだけど、まずは用語を覚えちゃおう!」

「先ほど、『手形にはいつ、どこで、誰に、いくら払いますと書いてあるんだ。その手形をもらった人が銀行に行くと、支払日にお金がもらえます。』と話したけど、これを専門的にいうと、『手形には、振出人、支払期日、支払場所、名宛人、金額等が記載されている。』んだ。」
「順番に説明すると、『振出人』は、手形を振り出してお金を払う人。『支払期日』は、お金を払う約束の日。『支払場所』は、そのお金が出る場所。すなわち支払う当座預金口座がある場所。『名宛人』は、その手形をもらってお金を受け取る人です。そして、手形を銀行に持ち込んでお金をもらう手続きのことを『取立』といいます。取立と聞くと怖い人が家のドアをドンドン叩いて・・・。なんてのを想像しますが、銀行が事務的にそして冷徹に取立をします(笑)」

「手形には『約束手形』と『為替手形』の2種類があります。しかし、簿記の勘定においてはその種類を問わず『受取手形』と『支払手形』という2つを使って仕訳をします。」
「まず『約束手形』は、『振出人』が『名宛人』に代金を支払うときに使います。これは難しくないのでこれで終わり。ややこしいのが『為替手形』。これには『振出人』と『名宛人』のほかに『指図人』という人が出てきます。これはどういうときに使うかというと、『振出人』が『名宛人』に対し、『振出人』に払う代金を代わりに『指図人』に払っておいてというときに使います。」
「ややこしいので、例題で整理してみましょう。」

<例題>

1.AはBに対する買掛金100円の支払いとしてA振出B名宛人となる約束手形を振り出した。

 A(振出人)の処理 買掛金 100円 / 支払手形 100円
 B(名宛人)の処理 受取手形 100円 / 売掛金 100円

2.上記手形が支払期日を迎え適正に処理された。

 A(振出人)の処理 支払手形 100円 / 当座預金 100円
 B(名宛人)の処理 ○○預金 100円 / 受取手形 100円

「これは難しくないね。Bは指定した口座(取立を依頼した銀行の口座)でお金を受け取ります。」

3.AはBに対する買掛金100円の支払いとして、売掛金100円を有するCを名宛人とする為替手形を振出し、Cの引き受けを得て指図人Bに手渡した。

 A(振出人)の処理 買掛金B 100円 / 売掛金C 100円
 B(指図人)の処理 受取手形C 100円 / 売掛金A 100円
 C(名宛人)の処理 買掛金A 100円 / 支払手形B 100円

「Aは、Bから売掛金をもらう代わりにCに買掛金を払ってもらった。BはAから売掛金をもらう代わりに、Cから手形をもらった。CはAに買掛金を支払う代わりにBへの手形を引き受けた。このような問題を解くときは、誰が誰に対して売掛金、買掛金があって、誰が誰に頼んで手形を振り出したかという絵を書きながらやるとわかりやすいです。」

「・・・。」
「とっきー君大丈夫かい??答えは問題文をよく読めばもう書いてあるから、あとは上手に絵を書けば何とかなるさ!」
posted by 現役経理課長 at 13:18| Comment(2) | TrackBack(0) | ミニカー屋の簿記奮闘記〜簿記3級〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月28日

ミニカー屋の簿記奮闘記〜簿記3級〜 第5回

「先生、こんにちは!」
「こんにちは!簿記は勉強してみてどうだい?」
「難しいけど、お金の流れがこんなに細かいなんて初めて知りましたよ。」
「でも、これをマスターしたらお店の経営も万全だね!どんぶり勘定ほど儲けられないんだよ。しっかりお店のお金を把握したら経営戦略など高度な思考もできるようになるよ。」

「さて、今日は商品売買について勉強しよう。とっきー君が始めるミニカーショップのメインとなる取引だね!ばっちり覚えよう。」
「はーい!」

「簿記3級で勉強する商品売買取引の仕訳の方法には2種類あって、それぞれ『分記法』と『3分法』があるんだ。『分記法』とは取引1回ごとに原価と利益を計算する方法で、『3分法』は期中は売上と仕入を仕訳して、原価と利益は決算で計算する方法です。」
「『分記法』は、その都度利益を計算するので利益を把握しやすいけど、ミニカーショップみたいに毎日たくさんの品物を売買するときには面倒くさい。『3分法』はその逆で、日々の計算は楽だけど、決算しないと利益が分からない。まあ、実際説明してみよう。」
「商品の取引だけでも何種類も方法があるんですね・・・。」

「まずは『分記法』。とっきー君が問屋さんからミニカーを1台100円で10台ツケで仕入れました。この時の仕訳は、『資産』である『商品』が増えて、『負債』である『買掛金』も増えるので次のようになるね。」

 借方 商品 1,000 / 貸方 買掛金 1,000

「このミニカーを1台200円でお店に並べました。お客さんが2台買っていきました。この時の仕訳は、『資産』である『現金』が増えて、『資産』である『商品』も減ります。でも、『現金』は400円増えるけど、『商品』は1台100円だから200円減る。その差額の200円って何になる?」
「200円のものを400円で売ったのだから200円儲かったから利益かな?」
「その通り!200円は利益になるね。この利益を『商品売買益』という勘定科目で仕訳するんだ。」

 借方 現金 400 / 貸方 商品   200
              商品売買益200
「このように、取引するごとに利益を計算していくんだけど、仕入れてきた商品は、いろんな値段で仕入れているからこれを1個1個調べるのは大変。そこで『3分法』だ。」

「さっきと同じで、100円のミニカーを10台仕入れたとき『3分法』では『資産』である『商品』を増やすのではなく、『費用』である『仕入』を増やすんだ。」

 借方 仕入 1,000 / 貸方 買掛金 1,000

「そして、200円で2台売ったときは『資産』である『商品』を減らさないで、『収益』である『売上』を増やします。」

 借方 現金 400 / 売上 400

「ここで注目してほしいんだが、『収益』である『売上』から『費用』である『仕入』を引くと、なんとマイナス600円。赤字になっちゃってるんだ。これを決算で直す必要があるんだ。詳しくは決算の時に勉強するけど、簡単に言うと、『仕入』にはミニカー10台分が費用になっているので、お店に残っている8台分の800円を『資産』である『商品』に在庫として振り替えるんだ。この決算の時に使う商品の勘定科目は『繰越商品』という特別な科目を使います。そうすると『仕入』は200円となり『分記法』で計算した利益200円と一致するんだね。」

 借方 繰越商品 800 / 貸方 仕入 800

「ちなみに、商品売買のときのツケ、仕入れたときの『負債』は『買掛金』で、売った時の『資産』は『売掛金』は、商品売買だけで使うんだよ。とっきー君の店の場合はミニカーとかこれに関連する商品の売買のときだけだね。これ以外の取引の時は『負債』は『未払金』、『資産』は『未収入金』という勘定を使って区別するよ。」
「どういう区別をするんですか?」
「たとえば、配達用のバイクをツケで買った場合、これは本業の商売の商品の売買じゃなく、お店の備品、道具を買うことだからね。逆に、今まで使っていた配達用の自転車をツケで売った場合『未収入金』で処理するんだ。」

 借方 車両運搬具 10,000 / 未払金 10,000
 借方 未収入金 1,000 / 備品 1,000

「こんなふうになるんだね。」
「じゃあ、今日のまとめをしよう。」

<分記法>
商品販売のつど利益を計算する方法。
『商品』と『商品売買益』の勘定科目を使う。

<3分法>
期中は『仕入』『売上』で仕訳をし、決算で原価と利益を計算する方法。
『仕入』『売上』と『繰越商品』の勘定科目を使う。

「最後に練習問題を解いて終わりにしようね!」

1.1個200円の商品10個を掛で仕入れた。
2.1.の商品を1個300円で2個現金で売り上げた。
3.1.の商品を5個掛で売り上げた。
4.決算を迎え、在庫3個が残っていた。

<分記法>
1. 商品 2,000 / 買掛金 2,000
2. 現金  600 / 商品   400
         / 商品売買益 200
3. 売掛金1,500 / 商品  1,000
         / 商品売買益 500
4. 仕訳なし
 ※商品売買益=300+500=700(利益)
<3分法>
1. 仕入 2,000 / 買掛金 2,000
2. 現金  600 / 売上   600
3. 売掛金1,500 / 売上  1,500
4. 繰越商品600 / 仕入   600
 ※売上-仕入=2,100-1400=700(利益)

「『分記法』は取引ごとに原価も計算しているから決算の時は特に何もしなくていいんだね。どっちの方法でも利益が一致することに注目だ。それじゃお疲れ様!」
「ありがとうございました!!」
posted by 現役経理課長 at 10:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ミニカー屋の簿記奮闘記〜簿記3級〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月23日

ミニカー屋の簿記奮闘記〜簿記3級〜 第4回

「さあ、今回は現金・預金関係を勉強しましょう!いよいよ勘定科目が出てくるよ。現金や預金はどのグループに属するかはわかるかな?」
「はい。会社にとってプラスになるから『資産』グループですよね!」
「そのとおり。まず財布からお金出して!このお金が『現金』勘定になります。でも、このほかにも現金はたくさん種類があるんだ。」
「ドルとかユーロとか?」

「いや、そういう種類ではなくこれから言う5種類を覚えておいて。他人振出小切手、郵便為替証書、配当金の領収証、期限の到来した公社債の利札、送金小切手の5種類だね。これらは銀行とか郵便局に持っていくと現金がもらえるので『現金』に含めます。ちょっと注意だね。」
「なんか難しそうな名前ばかり・・・。」
「そうだね。ただ、簿記ではこれらがどんなものまでは聞かれないから名前だけ覚えて『現金』扱いということを知っていればOKだよ。ただし、この後自己振出の小切手というものを説明するので、他人・自己の違いには注意が必要だ。」

「じゃあ、これらを銀行に預けるとどうなるかな?」
「預金かな?」
「うん。預金にはなるんだけど、預金には種類がいくつもあるんだ。簿記3級で覚えなくちゃいけない預金は2種類だけ。『普通預金』と『当座預金』。」
「どう違うんですか?」
「『普通預金』は、とっきー君が持っている普通の銀行口座の預金で、利息がつくんだけど、通常はお金を貯めたりするために使いますね。ところが、『当座預金』というのは商売人用の銀行口座で利息がつかない代わりに小切手を使ったり、契約の範囲内だったら預金の残高がマイナスになっても大丈夫という預金なんだ。決済性預金とも言うんだけどね。」

「小切手か〜。社長さんが内ポケットから出してすごい金額をサラッと書いてピッと出すってイメージですね!」
「そう。その小切手を貰った人は銀行へ持っていくと現金がもらえるんだよ。そのお金はその社長さんの『当座預金』の口座から払われるんだね!さっきの他人振出小切手とは逆の立場だから要注意。」
「自分もサラッ、ピッってやってみたいです!」
「それじゃ、頑張って商売して儲けておくれ。」

「じゃあ、社長が『当座預金』に100円入っていると思って小切手を振り出したら、実際には80円しかなかった。この場合どうなると思う?」
「先生がさっき契約の範囲内だったらマイナスになってもOKって言ってましたよね?だからマイナス20円になるのかな?」
「そのとおり!!この場合、契約の範囲内で銀行がお金を貸してくれるんだ。で、このマイナスになったときの勘定科目はどうなるか。」

「一つは『当座預金』を使っていた場合。この場合『当座預金』はゼロになって、マイナス部分を『当座借越』という勘定を使います。『当座借越』は銀行への借金なので『負債』になりますね。」
「もう一つは『当座預金』勘定も『当座借越』勘定も使わずに、『当座』勘定だけで処理する方法。この場合借方に残高があれば『当座預金』の残高、貸方に残高があれば『当座借越』の残高ということになるね!」

「細かい話なんだが、例えばレジに入っていた現金が、お金を出し入れしている間に10円なくなってしまった。お客さんに渡し間違えたのか、落としてどこかの隙間に入ったのか。この時『現金』勘定とレジの中のお金は合ってないね。こんな時は『現金過不足』勘定を使って『現金』勘定とレジの中のお金を合わせておきます。その間にいろいろ調べて最後に適切に振替します。」

「最後に、とっきー君のミニカー屋が儲かって支店を出しました。そこで人を雇ってお店を任せます。お店の経費はいくらかかるかわからないので、あらかじめお金を渡しておくんだね。こんな時は『小口現金』勘定を使います。この勘定は本店の手元にある『現金』と、支店にある現金である『小口現金』といった感じで使い分けます。そうすれば本店と支店それぞれで現金が管理できますね。ちなみにこの『小口現金』勘定は支店の現金なので『資産』ですよ。」
「先生、現金と預金だけでこんなに細かいことまでやるんですね・・・。」

「じゃあ、まとめをしよう。」
<現金>
現金=硬貨・紙幣に限らず、他人振出小切手、郵便為替証書、配当金の領収証、期限の到来した公社債の利札、送金小切手も含める。なぜなら、これらは銀行や郵便局に持っていくと『現金』がもらえるから。

<当座預金>
当座預金は利息が付かないが、小切手を振り出したり、当座借越をすることができる。当座預金と当座借越を『当座』勘定一つで処理することもできる。『当座』勘定の貸方に残高があるときは銀行から借金をしていることになる。

<現金過不足>
現金と『現金』勘定が合っていないときは、一時的に『現金過不足』勘定を使って現金と『現金』勘定を合わせておく。調査して最後に適切な勘定に振り替える。

<小口現金>
支店など別の場所にも現金を置く場合、手元の現金である『現金』勘定と、別の場所にある現金である『小口現金』勘定に分ける。

なお、他人振出小切手は『現金』で自己振出小切手は『当座預金』勘定であることに注意!

「さあ、このまとめを参考に例題をやってみようか。」

<例題>
1.売掛金100円の回収として他人振出の小切手を受け取った。
2.配当金領収証100円を受け取り、普通預金に預け入れた。
3.買掛金100円の支払いとして小切手を振り出した。なお、当座預金の残高は80円である。
4.金庫を調べたところ、現金は90円であった。現金勘定は100円である。
5.支店に小口現金として100円を現金で手渡した。
6.支店で小口現金から家賃として50円支払った。

「どうだい?できたかな?」
「ふう。終わりました!」

「それでは、1から見ていこう。『売掛金(ツケ)』を他人振出小切手で回収したんだね。小他人振出切手は『現金』なので答えは
現金 100円 / 売掛金 100円 だね」
「次は2。これも簡単だ。配当金領収証も『現金』でこれを普通預金に入金したから、答えは 普通預金 100円 / 受取配当金 100円 だね。厳密には 現金 100円 / 受取配当金 100円 と、 普通預金 100円 / 現金 100円 なんだけど、その場ですぐに入金しちゃったから現金は省略ね。」
「次は3。『買掛金(ツケ)』の支払いに小切手を振り出したんだね。自己振出小切手は『当座預金』だね。ただ、100円を支払うんだけど、残高は80円。つまり20円は銀行から借りることになっちゃうんだ。これには答えが2つあって
買掛金 100円 / 当座預金 80円
        / 当座借越 20円

買掛金 100円 / 当  座 100円 となります。当座を使うかどうかは問題文に書いてあるからよく読むこと!」
「上の仕訳は借方、貸方ちゃんと金額が釣り合ってますね!」

「次は4。金庫のお金が10円少ないんだね。調べている間は金庫のお金と『現金』勘定を合わせておく。答えは 現金過不足 10円 / 現金 10円 だ。これで『現金』勘定が10円減って90円になるね。」

「次は5。支店に経費支払用に現金100円を手元の金庫から渡しました。本店の現金が減って支店の金庫に移動したんだね。よって答えは 小口現金 100円 / 現金 100円 だ。」

「最後に6。支店で小口現金から家賃を支払ったんだね。支店の現金から支払ったから答えは 家賃 50円 / 小口現金 50円」

「これらの基本事項を押さえておけば、発展問題にも対応できるよ。ここでは時間がないから最低限のことだけやっているから、やったことは忘れないようにね!」
「こんなにあって最低限・・・。できるかな?」
「できるさ!さあ、ゴールはまだまだだ!!」
posted by 現役経理課長 at 09:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ミニカー屋の簿記奮闘記〜簿記3級〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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